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設計展2026

GADO Global Architectural Design Organization

全国の建築学生を対象として開催される主要な設計展・設計コンペを、応募対象、応募作品、応募規模、審査方法、審査員、開催時期などの共通項目から整理します。

建築学生向けの設計展は、それぞれ目的や制度が大きく異なります。

全国から全学年の作品を集めて公開講評を行うもの、低学年の授業課題を比較するもの、共通テーマに対して新しい作品を制作するもの、学生へのフィードバックを重視するものなど、一括して同じ基準で比較することはできません。

GADOでは、単純な知名度や受賞実績だけではなく、対象学年・応募地域・応募作品・応募規模・開催年数・選抜率・審査方法・審査員構成・公開性・教育性などを整理し、それぞれの設計展がどのような特徴を持つのかを比較します。学生自身が、自分の作品や目的に適した設計展を選択するための情報としてまとめています。

目次

1.2026年 全国の主要設計展

1.1|Design Review 2026|3月
全国・全学年対象・公開講評型の建築設計展

 

1.2|全国建築学生チャレンジコンペ2026|4月
全国・共通テーマ型・出版連動型の学生設計コンペ

 

1.3|設計展Flap2026|8月
教育・講評・フィードバックを重視した低学年設計展

 

1.4|建築新人戦2026|8月〜9月
全国規模・高競争率・課題作品型の低学年設計展

 

1.5|建築学縁祭2026 ~Rookie選~|9月
首都圏型・専門分野横断型・講評交流型の低学年設計展

Design Review 2026 3月
全国・全学年対象・公開講評型の建築設計展
全国B1〜M2等全学年対象 全国60選 31周年目

概要/特徴

Design Reviewは、全国で建築・都市・ランドスケープを学ぶ学生を対象に、学生作品の講評を通して、建築や都市の可能性について議論する全国公募型の建築設計展です。1995年から継続する活動を背景に、2026年で31周年目を迎えます。

一般的な設計コンペが、限られた受賞作品を選出することを中心とするのに対して、Design Reviewでは、作品の選抜に加えて、出展者とクリティークが直接対話する「講評・批評」のプロセスそのものを重視しています。

主催者も、大会の目的として、最優秀者を決定する競争だけでなく、優れた建築的アイデアを抽出する「提言の場」、学生へのフィードバックの場として機能させることを掲げています。また、作品だけでなくプレゼンテーションや対話も評価対象としており、設計内容に加えて、設計者自身がその価値や考えをどのように他者へ伝えるかも評価される点が特徴です。

全国規模、全学年対象、長期継続性、公開講評という点から、学生設計展の中でも特に「批評」を中心に据えた大会と位置付けられます。

応募対象​

大学,大学院,短期大学,高等専門学校,等に在籍し、建築,都市,ランドスケープ等を学ぶ学生が対象です。

学年による制限はなく、学部1年生から大学院生まで全国から応募可能です。

2026年3月14日・15日に開催される本選の両日に参加できることが条件です。

応募作品

応募者本人が著作権を有するオリジナル作品を募集します。設計課題,卒業設計,コンペ作品,等を含み、作品の種類やテーマについて大きな制限はありません。低学年の設計課題から卒業設計まで応募できるため、異なる学年、課題条件、制作背景をもつ作品が同じ審査の場で比較されます。

過去のDesign Reviewに一度応募した作品を再応募することはできません。

応募方法

1人1作品まで応募可能です。共同制作も認められています。提出は、A3用紙2枚以内です。設計意図,図面,模型写真,等をまとめ、A3縦・横どちらでも提出可能です。作品には氏名や所属学校を記載せず、登録IDによって管理する匿名審査方式です。

予選登録後、作品データの提出に加えて、同じプレゼンテーションシートを郵送します。

審査方法

予選審査で全国から60作品を選出します。その後、本選1日目のポスターセッションと巡回審査によって8作品を選出します。

本選2日目では、8作品によるプレゼンテーションとディスカッションから4作品を選出し、最終公開審査によって最優秀賞・優秀賞等を決定します。

審査構造は 応募作品 → 60選 → 8選 → 4選 → 最優秀賞・優秀賞です。

特徴的なのは、作品だけを見る審査ではなく、出展者と審査員が直接対話するポスターセッションを審査に組み込んでいることです。

審査員

2026年は、予選クリティーク,大庭早子,唐木研介,堀英祐,宮原真美子,矢作昌生,

本選クリティーク,武田清明,藤野高志,古森弘一,松岡恭子,湯浅良介,矢作昌生という構成です。

予選と本選で異なる審査員が作品を評価し、本選では作品,プレゼンテーション,質疑応答を含めた総合的な評価が行われます。

​展示・提出物

予選ではA3プレゼンテーションシート2枚以内を提出します。

60選に選出された場合、本選会場でプレゼンテーションボードと模型等を展示できます。

展示範囲はプレゼンテーションが幅900mm×高さ1800mm以内、模型が幅1800mm×奥行1200mm以内です。

模型は必須ではありませんが、作品を伝えるための展示物として使用できます

 

開催日程

本選・公開審査は、2026年3月14日・15日

会場は、アクロス福岡2F 交流ギャラリーです。

全国建築学生チャレンジコンペ2026 4月
全国・共通テーマ型・出版連動型の学生設計コンペ
​全国学部大学院全学年対象 応募数約200~300作品 2年目

概要/特徴

全国建築学生チャレンジコンペは、全国の建築系学生を対象に、主催者が設定した共通テーマに対して新しい提案を行う設計コンペです。

学校で制作した設計課題を持ち寄る建築新人戦、Rookie選、Flapとは異なり、共通のテーマから作品を制作する「テーマ型コンペ」に分類されます。

全国建築学生チャレンジコンペの特徴は、応募者全員が同じテーマを起点として作品を制作する点にあります。

異なる大学課題を比較する設計展と比較すると、テーマや提出条件が共通しているため、作品同士の比較条件を比較的揃えやすい形式です。

また、建築家だけでなく専門誌編集者が審査に参加し、受賞後の出版・メディア掲載まで制度に組み込まれています。

応募対象

2026年4月時点で、大学,大学院,短期大学,高等専門学校,専門学校,等に在籍している学生が対象です。

全国から応募可能です。

応募作品

主催者が設定した共通テーマに対する未発表の新作を募集します。

設計領域は、建築,インテリア,ランドスケープ,アート,等を含みます。

2026年は具体的な敷地を設定せず、おおむね20㎡程度の小規模な建築・アート・ランドスケープ等が想定されています。

応募方法

個人・グループのどちらでも応募可能です。同一人物による複数作品の応募も認められています。

提出は、A3横2枚・PDF20MB以内です。

あわせて、「コトバ」20字以下 説明100字程度 デザインコンセプト300字程度 を提出します。

審査方法

一次審査で各審査員がファイナリストを選出します。その後、公開審査で審査員同士が作品について議論し、それぞれの審査員賞を決定します。

特徴的なのは、ファイナリストによるプレゼンテーションを行わないことです。応募者本人の公開審査への参加も任意です。

審査員

2026年は、建築家・専門家,原田真宏,中川エリカ,本多健,

建築専門誌編集長『住宅建築』編集長『コンフォルト』編集長『庭』編集長という6名体制です。

各審査員が3作品を選出し、合計18作品程度が受賞します。

展示・提出物

模型提出は基本的に必要なく、PDFデータを中心に審査が行われます。受賞18作品はアーカイブブックとして書籍化されます。

さらに編集長賞については、それぞれの建築専門誌への掲載も予定されています。

開催日程

公開審査は、2026年4月18日

会場は、建築会館ホールです。

設計展Flap2026 8月
教育・講評・フィードバックを重視した低学年設計展
全国2年~3年生対象 応募数約200~300作品 2年目

概要/特徴

設計展Flapは、大学2・3年生を中心とする建築学生を対象に、公開審査とフィードバックを行う設計展です。作品の順位を決めることだけではなく、応募者が建築家・専門家から講評を受け、設計について考え直す機会をつくることを重視しています。

Flapは、他の設計展と比較して、応募者へのフィードバックを制度の中心に置いている点が特徴です。

受賞者を選ぶ競争型設計展というよりも、審査・講評を通じて学生の設計を発展させる教育的な性格が強い設計展です。

応募対象

2026年4月時点で建築関連分野を学ぶ、大学・専門学校2年生大学・専門学校3年生高等専門学校5年生等が対象です。

応募した部門の審査会へ参加できることも条件となります。

応募作品

2026年は2つの部門があります。

1日目「集合住宅・アートスペース」集合住宅、ギャラリー、美術館などの設計作品を対象とします。

2日目「誰かのための建築」具体的な「誰か」を設定し、その人の快適さや幸福に建築がどのように関与するかを考える自由部門です。

学校課題だけでなく、条件に適合すれば他のコンペへ提出した作品も応募可能です。共同制作も認められています。

応募方法

各日程につき1人1作品まで応募できます。1日目と2日目の両方へ応募できるため、最大2作品まで応募可能です。

一次提出は、A1横1枚・PDF10MB以内です。コンセプト、パース、平面図、断面図などを掲載します。

審査方法

審査は、0次審査 → 1次公開審査 → 最終公開審査の3段階です。

特徴的なのは、0次審査を通過しなかった学生も含め、応募者が専門家からフィードバックを受ける機会が設けられていることです。

フィードバックは5〜6人程度のグループ形式で行われます。

審査員

2026年の総合司会は、山本想太郎です。

1日目 キャズ・T・ヨネダ,田中智之,津川恵理,西森陸雄,南泰裕

2日目 赤松佳珠子,一色ヒロタカ,伊藤暁,猪熊純,柴田淳 という構成です。

展示・提出物

会場展示では、A1プレゼンテーションボード最大2枚模型1m×1m以内を展示できます。

公開審査では展示作品を前に審査員と学生が議論します。

開催日程

一般展示は、2026年8月28日

審査会は、2026年8月29日・30日です。

会場は、日本女子大学 目白キャンパス 新泉山館です。

建築新人戦2026 8月~9月

全国規模・高競争率・課題作品型の低学年設計展
全国2年~3年生対象 応募数約1,000〜1,200作品 ​18年目

概要/特徴

建築新人戦は、全国の建築系低学年学生を対象に、大学・専門学校等で制作された設計課題を比較・審査する全国規模の設計展です。大学ごとに異なる課題や教育環境の中で制作された作品を一堂に集め、全国的な比較の中で評価することを目的としています。

建築新人戦の最大の特徴は、全国の低学年学生が制作した設計課題を、学校の枠を越えて比較できる点にあります。近年は1,000作品前後を超える応募規模となっており、100選、16選、8選という段階的な選抜を行うことから、低学年向け設計展の中でも競争性の高い制度といえます。

応募対象

4年制大学・3年制専門学校は3年生まで、短大・2年制専門学校は2年生まで、高等専門学校は4・5年生などが対象です。

原則として個人での応募となり、グループ参加はできません。

応募作品

大学や専門学校等のカリキュラム上で制作した設計課題を対象とします。

自由テーマによる新作コンペではなく、学校で取り組んだ設計課題を学外で比較する形式です。

応募は1人1作品までです。

応募方法

一次提出では、設計意図、図面、模型写真等をまとめたA3用紙3〜6枚を提出します。

あわせて応募申込書、課題説明用紙、学校から提示された課題文等を提出します。

審査は匿名で行われるため、作品内には学校名や氏名を記載せず、応募IDによって管理されます。

審査方法

審査は段階的な選抜方式です。

応募作品 → 100選 → 16選 → 8選 → 最優秀新人賞・優秀新人賞

一次審査で100作品を選出し、その後、会場審査によって16作品、8作品へと絞り込まれます。

最終8作品は公開プレゼンテーションと公開審査によって評価されます。

審査員

2026年は藤本壮介が審査委員長を務めます。

審査委員は、藤本壮介,岩瀬諒子,川添善行,小林恵吾,朱喜哲です。

建築家・建築研究者だけでなく、建築外の思想・哲学領域を含む審査員構成となっています。

展示・提出物

100選以降は、会場展示用の模型、A1プレゼンテーションボード、縮小版資料等が必要です。模型の梱包寸法は900×850×700mm以内と定められています。最終審査進出者は公開プレゼンテーション用のPowerPoint資料も準備します。

開催日程

展覧会は、2026年9月11日〜13日

会場は、梅田スカイビル

公開審査は、2026年9月12日 13:30〜18:00に予定されています。

建築学縁祭2026 ~Rookie選~ 8月~9月
首都圏型・専門分野横断型・講評交流型の低学年設計展
首都圏1年~3年生対象 応募数約450〜500作品 6年目

概要/特徴

建築学縁祭「Rookie選」は、主として首都圏の建築系低学年学生を対象とした、設計課題の講評・審査イベントです。作品の順位を決めるだけではなく、学生同士、学生と建築家、異なる専門領域の実務者をつなぐことを目的としています。

Rookie選の特徴は、受賞作品の選定だけではなく、学生と専門家の交流や講評を重視している点にあります。また、意匠、構造、環境、ランドスケープなど複数の建築専門分野から作品を見る機会が比較的多い設計展です。

 

応募対象

東京・神奈川・千葉・埼玉を中心とする建築系学生が主な対象です。

4年制大学・専門学校は1〜3年生、短大・2年制専門学校は1〜2年生等が対象となります。

応募作品

各教育機関において、3年次前期までに取り組んだ設計課題作品を対象とします。

建築新人戦と同様に、学校課題を学外へ提出する形式です。

一方で、建築新人戦とは異なり、グループ課題も応募可能です。

応募方法

一次提出では、設計意図、図面、模型写真等をまとめたA3用紙3〜6枚を提出します。

あわせて応募申込書、課題説明用紙、学校から提示された課題文等を提出します。

審査は匿名で行われるため、作品内には学校名や氏名を記載せず、応募IDによって管理されます。

審査方法

審査は、応募作品 → 100選 → 10選 → 最終講評・各賞という構成です。

100選作品から公開審査によって10作品程度まで絞り込み、最終講評を通して受賞作品を決定します。

二次審査への本人参加が必要であり、欠席した場合は原則として辞退扱いとなります。

審査員

2026年の審査員は、石川初,川島範久,菅原大輔です。

これまでにも意匠設計だけでなく、構造、ランドスケープ、環境など複数の専門領域から審査員が選ばれており、専門分野横断型の講評が特徴となっています。

展示・提出物

100選以降は実際のプレゼンテーションボード等を会場に展示します。

公開講評を通じて、作品について審査員と直接議論する形式となっています。

開催日程

公開講評審査会は、2026年9月26日

トークセッション・学生活動発表会は、2026年9月27日

一般展覧会は、2026年9月28日

会場は、新宿パークタワー

日本独自の卒業設計展について

日本の卒業設計展は、日本の建築教育の中で育まれてきた、きわめて特徴的な文化です。結論から言えば、卒業制作を行い、それを展示するという行為自体は世界各国に存在します。しかし、卒業設計を全国規模で集め、公開の場で批評し、競技として成立させ、建築文化の年中行事として社会に定着させている国は、日本以外にほとんどありません。この点において、日本の卒業設計展は独自の文化的完成形を持っていると言えます。

海外に目を向けると、アメリカやヨーロッパでも建築学生の卒業制作は重要な教育課題です。アメリカでは、学生は卒業制作(Thesis)として研究性や社会性の高い設計に取り組み、学内で展示や審査を受けます。ただし、その評価は大学の中で完結することが一般的で、大学を越えて全国規模で競う仕組みはほとんどありません。イギリスではDegree Showと呼ばれる卒業制作展が一般公開され、設計事務所との出会いの場として機能していますが、こちらも大学単位の成果発表が中心です。フランスやドイツでも卒業制作は重視されていますが、公開競技というよりは、教育課程の最終成果として内部的に評価される位置づけにあります。

これに対して日本の卒業設計展は、大学や地域の枠を越えて学生作品が集まり、建築家が公開の場で講評し、優劣や評価が明確に示される点が大きな特徴です。学生にとっては、自らの建築を初めて社会に向けて発信し、批評を受ける貴重な機会であり、来場者にとっては、同時代の建築の思考や関心を一望できる場となっています。

日本の卒業設計展は、単なる学生作品の展示ではありません。教育、批評、競技、交流が重なり合い、毎年新しい建築の価値観や問題意識が更新されていく「建築文化の場」として機能しています。こうした卒業設計展が長年にわたり継続し、社会に開かれた文化として根づいていることは、日本の建築文化の大きな特徴であり、世界に誇るべき独自性の一つだと言えるでしょう。

 

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卒業設計展の3つの役割

 

日本の卒業設計展は、学生が制作した建築作品を展示する場にとどまりません。人と人をつなぐこと、建築を批評すること、そして地域や社会の多様な価値観を可視化することという、重要な役割があります。卒業設計展が日本独自の文化として発展してきた背景には、以下の3つの機能が深く関わっています。

 

1. コミュニティ形成とネットワーク

卒業設計展は、学生だけのための展示ではありません。学生同士はもちろん、先輩建築家、設計事務所、研究者、企業、教育関係者など、多様な立場の人々が集い、自然に交流が生まれる場です。こうした出会いは、就職や進学、共同研究など、次のキャリアへとつながるネットワークを育てていきます。

卒業設計展は、学生が建築界のコミュニティに参加する最初の機会であり、単なる卒業条件を超えた社会的な通過儀礼としての役割を果たしています。

 

2. 批評・公開審査という日本独自の制度

日本の卒業設計展の大きな特徴の一つが、公開審査や公開講評です。多くの展覧会では、展示後に建築家が作品を前に議論し、評価や考察を言葉として共有します。これは、完成した成果を見せるだけでなく、設計の背景や思考プロセスを社会に開く行為でもあります。このような批評の公開は、学生にとっては思考を深める貴重な学びの場であり、来場者にとっては建築を多角的に理解する知的体験となります。卒業設計展は、建築を「つくるもの」から「考え、語るもの」へと広げる、日本ならではの批評文化を支えています。

 

3. 地域文化の多様性を生むプラットフォーム

全国各地で開催される卒業設計展には、地域ごとの課題や文化、風土を背景とした設計が数多く集まります。都市、地方、自然環境、コミュニティなど、多様なテーマが並ぶことで、日本社会が抱える問題意識や価値観が立体的に浮かび上がります。卒業設計展は、単なる作品発表の場ではなく、地域性や社会的多様性を可視化する文化的プラットフォームとして機能しています。そこには、建築を通して社会を読み解き、未来を構想する日本の建築教育の姿が映し出されています。

GADOの3つの役割

 

GADO は、日本独自の卒業設計展文化を、次の世代と世界へとつなぐためのプラットフォームです。全国で行われている卒業設計展の価値を可視化し、蓄積し、発信するために、GADOは以下の3つの役割を担っています。

 

1. 全国の卒業設計展をつなぐ「ハブ」としての役割

日本各地では、せんだいデザインリーグ、赤れんが卒業設計展、全国合同卒業設計展「卒、」をはじめ、数多くの卒業設計展が開催されています。しかし、それらはこれまで個別に運営されることが多く、全体像を俯瞰できる場は限られていました。GADOは、全国の卒業設計展の情報を規模や地域関係なく、横断的に集約し、一覧化・発信することで、点在していた卒業設計展を一つのネットワークとして可視化します。

 

2. 日本独自の卒業設計文化を世界へ発信する役割

卒業設計を全国規模で公開・批評し、競技として成立させている文化は、世界的に見ても非常に特異です。しかし、その価値や背景は、海外には十分に伝えられてきませんでした。GADOは、独自のメディアを通じて日本の卒業設計展を単に紹介するのではなく、その制度や批評文化の構造を整理し、国際的に理解可能な形で発信します。これは単なる翻訳ではなく、日本の建築教育や思考のあり方を、世界に向けて共有する試みです。卒業設計展を通じて、日本の建築文化を国際的な文脈へと接続していきます。

 

3. 作品と評価を「収集・分析」する役割

卒業設計展では、毎年膨大な数の作品と講評、評価が生まれています。しかし、それらの多くは会期終了とともに散逸してしまいます。GADOは、作品そのものだけでなく、審査結果、講評の視点、評価の傾向を収集し、体系的に整理・分析します。実際に、毎年全国各地の卒業設計展に参加し、過去10年以上にわたり作品と評価を収集し分析し続けています。これにより、卒業設計は一過性の成果ではなく、建築文化の知的資産として蓄積されていきます。過去と現在を比較し、時代ごとの関心や思考の変化を読み解くことも可能になります。
 

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